くえすの音楽箱 Audiostock出張所

15年前は別のこと書いてたけど、今は自分の楽曲の紹介ページです。

近所のコンサート(N響団友&家田紀子)

先週は東京ドームでサザンのライブでしたが、今週は両親と一緒に地元の公民館で行われたクラシックのコンサートに行ってきました。N響団友とは「NHK交響楽団に永年在籍して定年退職した者、10年以上コンサートマスターとして在籍した者、及び特に功績を認められた者」で構成された楽団で様々な演奏形態に対応するオーケストラです。今回はソプラノ歌手の家田紀子さんと一緒に、人口2万人足らずの小さなわが町にやってきてくださいました。

クラシックのコンサートってどうしても敷居の高いイメージがあるし、田舎から大人数収容のコンサートホールに行くのはそれだけでも結構な労力を使います。リーズナブルな値段で生の楽器の音に触れられるこの日を結構前から楽しみにしていました。

この公民館のホールは僕の記憶が正しければ設計も確か当時N響の方がされていたはずです。客席は全部で500ちょいの規模ですが音響は実にいいホールです。小中学校の頃は僕も部活動(ブラバン)等でよく来ていました。実際に来るのは成人式以来。ちょっと懐かしい気分です。

今回は全席自由。やはり普段の野球の外野自由席の席とりの癖が抜けないので、開場の時間より早めに会場に向かうとすでに入場を待つ列が。それでも前から10人ちょいの順番でした。5分遅かったらもっと並んでたかな。小さい公民館のロビーが開場の10分前には人でいっぱいになってしまったので、前倒しで開場。きっちりとステージ中段、プレーヤーとほぼ同じ目線の高さの最前列を確保。ここなら足も伸ばせるし音が良い♪しかし早く並んでた人はさすがにみんなそれを知ってるらしく、最前列はあっという間に埋まりました。ステージ中段より前はアリーナ・・・というと大げさだけど座椅子が用意されている。開演10分前にはもう満席。当日券も少しあったようだけど完売したそうです。12月は何かと忙しい人が多くてこの時期にチケットが完売して満席になるのは珍しい、と家田さんがいってました。リップサービスだとしても地元を褒めてもらえたみたいな感じで嬉しいじゃないですか。

演奏は2部構成+アンコールで全13曲。今回は22人編成のミニオーケストラでした。人数が少ないと楽器の音をより耳を済ませて聞くことができます。さすがプロです、音の強弱のつけ方、表現の奥深さ、素晴らしかったです。けしてガツガツと音量で押すこともなく楽団内での楽器ごとの音量のバランスをしっかりと考えた演奏で、こういうのをきちっとその場で考えて楽器を弾けるところがさすがだなと思いました。圧倒される規模ではなくてもきっちりと「まとまった演奏」を楽しめました。ソプラノの家田さんも大きな声でよく通る。マイクで普通に話すより大きく素敵な歌声がホールに響いていました。

選曲も「あ、どこかで聞いたことある」という曲がほとんどで親しみが持てる構成でした。コストダウンのせいか、家田さんはソプラノで歌いながらMCもこなす、指揮者はおらずコンサートマスターのアクションでみんなテンポを取る。そんなとこもなんとなくアットホームで冒頭に書いた「敷居の高さ」なんて皆無。途中で楽器の紹介などで会場の笑いを取ったり、すごく面白かったですよ。「フルートはもともとは木でできてたのですが、100年くらい前から金属で作られるようになりました。私がこれを買った頃は借金という金でできてました」とか「トロンボーンにはトランペットのようにバルブのような余計なもんはついてません」とか、さすが場数踏んでるな〜って思いました。どんな世代の人でも楽しめるようにその場で考えてるんですね。

最後のアンコールはクリスマスソング。会場のみんなで「きよしこの夜」を合唱して、とても暖かい気持ちのまま2時間のコンサートは終了。会場ではご近所さんが結構多くてあちこちで挨拶が聞こえました。昔僕にピアノを教えてくれた先生も今回世話役でいらっしゃって簡単に挨拶してきました。お客さんは僕よりも年齢の高い人がほとんどで、それがちょっと残念だったかな。子連れの家族とかもっといてもよかったかもね。それにしてもコンサート終わって車で5分で帰宅できる、気軽なコンサートはやはりいいもんです。

またぜひ「利根町」にきてほしいです^^N響の皆さん&家田さん。

※家田紀子さんのサイト
http://members.jcom.home.ne.jp/ieda_noriko/
N響団友のサイト
http://www.din.or.jp/~ymch/dan-yu/